詳細解説
1. CRVインフレ率の引き下げ(2025年8月12日)
概要: CurveはCRVの年間インフレ率を20%以上から6%に大幅に引き下げ、発行されるトークンをすべて流動性提供者に配布する仕組みに変更しました。これはビットコインの半減期に合わせたもので、供給の増加率を年間16%削減することになります。
このアップデートにより、高インフレのトークノミクスは終了し、デフレ傾向のモデルへと移行しました。残りの発行は流動性インセンティブに集中し、CRVの希少性と長期的な価値向上を目指しています。
意味するところ: 発行量が減ることで売り圧力が緩和され、価格の安定化が期待されます。一方で流動性提供者への報酬が強化されるため、CRVにとってはポジティブな動きです。(Source)
2. LlamaLendの開始(2024年3月)
概要: LLAMMAメカニズムを用いたレンディングプロトコルを導入しました。これは価格下落時に担保を即時に清算するのではなく、徐々にcrvUSDへと変換する仕組みです。
このシステムは担保比率を動的に調整し、価格が回復すれば借り手が資産を取り戻せるように設計されています。数ヶ月で20億ドル以上のTVL(総預かり資産)を集め、特にETHやBTC市場での利用が多く見られました。
意味するところ: crvUSDの利用拡大、プロトコル手数料の増加、清算リスクの軽減につながり、慎重な借り手を引きつけるためCRVにとって好材料です。(Source)
3. Curve-Liteの展開(2024年11月)
概要: ArbitrumやPolygonなどのEVMチェーンにワンクリックで展開できる軽量版DEXをリリースしました。主要なStableSwapやCryptoSwapプール、DAOによるCRV発行管理が含まれています。
2025年第1四半期までに700以上の新しいプールが作られ、クロスチェーンの流動性が増加し、CurveがDeFiの基盤的存在としての地位を強化しました。
意味するところ: エコシステムの拡大にはつながりますが、新しいチェーンでの採用状況や流動性の移行に依存するため、CRVにとっては中立的な影響といえます。(Source)
結論
Curveのアップデートは、持続可能なトークノミクス、リスクを抑えたレンディング、多チェーンでの優位性を目指す方向性を示しています。発行量がビットコインに合わせて調整され、crvUSDが伝統的金融(TradFi)でも注目される中、CRVはクロスチェーンのステーブルコイン流動性の基盤となる可能性があります。