詳細分析
1. 取引所の流動性の波(影響は混在)
概要:
2025年8月のUpbit上場により、CYBERの価格は133~150%上昇し5.33ドルに達しましたが、その後1.85ドルまで下落しピークから65%減少しました。現在、UpbitはCYBER/KRWの取引量の約40%を占めています(Upbit)。過去のデータでは、取引所主導の急騰後、6~8週間で価格が50~70%戻る傾向があります。
意味するところ:
流動性の向上によりスプレッド(売買差)が0.8%から0.3%に縮小しましたが、取引所への依存度が高いため、韓国市場のセンチメント変化に弱い面があります。24時間の取引量と時価総額の比率が48.7%と高く、これは自然な需要よりも投機的な動きが活発であることを示しています。
2. 機関投資家の導入実験(強気の材料)
概要:
Enlightify Inc.(NYSE:ENFY)は2025年7月からCYBERを2,000万ドル分ドルコスト平均法で購入し始めました。これはトークンに対する初の公開企業の財務投資です。購入が継続すれば、2026年7月までに流通供給量の10~15%を吸収する可能性があります(BuildOnCyber)。
意味するところ:
この動きは小口投資家の売り圧力を相殺する構造的な買い手を生み出しますが、実行リスクは残ります。現在の価格水準でENFYは約1,080万CYBER(流通量の20%)を保有することになり、エコシステムの利用が増加すれば供給ショックを引き起こす可能性があります。
3. ソーシャルL2の利用状況(成否の分かれ目)
概要:
Cyber L2はEthereumのロールアップ技術を使ったソーシャルアプリ向けのチェーンで、40以上のdAppが開発者助成金2百万ドルを活用しています。1日あたりの取引数は23,000件で月15%の成長を見せていますが、Lens Protocolの210,000件には及びません(CyberConnect)。
意味するところ:
実際の採用には、現在の成長率を超えるdAppの拡大が必要です。2.6百万CYBER(供給の5%)がステーキングされていることは初期のコミットメントを示しますが、L2の成功は主流のソーシャルプラットフォームを引きつけられるかにかかっており、今後6~12ヶ月が試金石となります。
結論
CYBERの今後は、取引所の一時的な盛り上がりをL2の実需に変換できるかにかかっています。一方で、機関投資家の買い増しが下支えとなるでしょう。1.69~1.87ドルのフィボナッチ支持帯は重要なラインで、ここを割ると勢いの衰えを示す可能性があります。Enlightifyの購入が終了する前に、Cyber L2の開発者助成金が「キラーアプリ」を生み出し、評価を正当化できるかが注目されます。