詳細分析
1. TetherのUSDTサポート終了(弱気要因)
概要: Tetherは2025年8月30日に、Ethereum Classicを含むSolanaやAlgorandでのUSDTサポートを終了すると発表しました(詳細はこちら)。USDTはETCのステーブルコイン流動性の約40%を占めていました。
意味すること: 最大のステーブルコインへのアクセスが減ることで、ETC上の取引活動や分散型金融(DeFi)の利用が減少する可能性があります。過去の例では、ステーブルコインのサポートを失ったチェーンは流動性が分散しやすく、ETCの24時間取引量(1億4100万ドル)は8月のピーク時(2億9900万ドル)から53%減少しています。
注目点: プロジェクトや分散型アプリ(dapps)がUSDTサポートを維持する他のチェーンへ移行する動き。
2. 技術的な下落(弱気の勢い)
概要: ETCは200日単純移動平均線(SMA、18.70ドル)と50%フィボナッチリトレースメントレベル(20.32ドル)を下回りました。RSI14は34.1で弱気の勢いを示していますが、まだ売られ過ぎではありません。
意味すること: 価格は現在、重要なサポートラインである18.14ドル(8月の安値)を試しています。この水準を持続的に割り込むと、ストップロスの売りが加速し16ドル付近まで下落する可能性があります。MACDヒストグラム(-0.232)は下落圧力の加速を示しています。
重要な価格帯: 18.14ドルのサポートを失うと、15.50ドルまで約15%の下落リスクがあります。
3. 市場全体の調整(中立的影響)
概要: 暗号資産市場全体の時価総額は24時間で1.8%減少し、ビットコインのドミナンスは58.12%に上昇しました。これは資金がより安全な資産へ移動していることを示しています。
意味すること: ETCの下落率(-2.52%)はEthereum(-1.3%)より大きく、よりリスクの高い資産であることを反映しています。Altcoin Season Indexは週次で9%下落し70となり、中型コインへのリスク選好が低下していることを示しています。
結論
ETCの価格下落は、TetherのUSDTサポート終了というチェーン固有の逆風と、技術的な弱さ、そして市場全体のリスク回避ムードが重なった結果です。売られ過ぎの状態が反発を促す可能性はありますが、USDTの喪失は構造的な課題を生みます。
注目ポイント: ETCのネットワーク活動です。現在の1日あたり約15.3万件の取引数が10万件を下回ると、利用価値の低下が確定的になる可能性があります。