詳細解説
1. Fusakaアップグレード(2025年11月)
概要:
バックエンドの改善に焦点を当てており、特にPeerDAS(Peer Data Availability Sampling)という技術を使って、ロールアップのためのデータ容量を最適化します。また、デフォルトのブロックガスリミットを約4500万から1億5000万に引き上げることで、バリデーターの効率とロールアップのパフォーマンスを向上させます。
意味するところ:
Ethereumにとってはポジティブな動きです。レイヤー2のコスト削減、ガス代の安定化、ネットワークの処理能力向上が期待されます。ただし、リソースを多く消費するブロックを大規模なバリデーターが独占すると、中央集権化のリスクもあります。
2. ネイティブzkEVM統合(2025年第4四半期~2026年第2四半期)
概要:
Ethereumの基盤レイヤーにゼロ知識証明(ZK証明)を直接組み込みます(Ethereum Foundation参照)。これにより、リアルタイムでの検証が可能となり、ZK証明のコストを約80%削減します。
意味するところ:
Ethereumのスケーラブルでプライバシー保護に優れたインフラとしての地位を強化します。すでにCircleやFidelityなどの大手機関が、規制に準拠したZKアプリケーションのテストを進めています。
3. 量子耐性アップグレード(2026年以降)
概要:
「Lean Ethereum」計画の一環として、格子基盤暗号(ラティス暗号)を採用し、将来の量子コンピューターによる攻撃に備えたセキュリティ強化を目指します。
意味するところ:
長期的には中立的な影響ですが、将来のリスクに対する先手を打つ重要な対策です。Ethereumの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏も、これはEthereumの50年ビジョンにとって不可欠だと強調しています。
4. Glamsterdamアップグレード(2026年)
概要:
現在の12秒のブロック生成時間を6秒に短縮し、EVM(Ethereum Virtual Machine)の並列実行を実現します。具体的には、EIP-7782(ブロック遅延の削減)とEIP-7928(並列トランザクション検証)を組み合わせたアップグレードです。
意味するところ:
Ethereumのレイヤー1でのトランザクション処理能力(TPS)を約2倍の100以上に引き上げ、MEV(マイナー抽出可能価値)リスクの軽減も期待されます。ただし、クライアントの大規模なテストが必要です。
結論
Ethereumのロードマップは、モジュラー構造で量子耐性を備えた決済レイヤーを目指し、ZK技術によるレイヤー1のスケーリングと高速なファイナリティ(確定性)を実現することに重点を置いています。FusakaとGlamsterdamのアップグレードは、分散化と機関投資家レベルのパフォーマンスの両立を試す重要な節目となるでしょう。
Ethereumの「UltraSound L2」ビジョンは、競合するモジュラー型チェーンを凌駕できるのか?2026年以降のバリデーターの分散化指標やZK証明の採用状況を注視しましょう。