Harmony(ONE)の価格は、プロトコルのアップグレードと取引所の逆風の間で揺れ動いています。
ネットワークアップグレード – メインネットの改善により効率は向上しましたが、採用は遅れています。
取引所の上場廃止 – 流動性の減少がボラティリティ(価格変動)のリスクを高めています。
DeFi戦略 – BTCの利回りを活用した新しい手法が機関投資家の資金流入を狙っています。
概要: Harmonyは2025年6月にv2025.1.1メインネットアップグレードを実施し、より高速なコンセンサス、強化されたP2Pネットワーク、クロスシャードメッセージングを導入しました。バリデーターの採用率は7月時点で70%に達し、ネットワークの安定性が向上しています(Harmony Q2 Recap)。しかし、2025年7月の報告によると、開発者の活動は前年同期比で19.5%減少しています(Cointribune)。
意味するところ: 技術的な改善により取引コストは下がり、DeFiにとっては重要な進展ですが、開発者の関与が減少しているため、エコシステムの成長が鈍化する可能性があります。インフラは強化されているものの、アプリケーション層の勢いは弱まっているという複雑な状況です。
概要: EXMO.meとFameEXは、流動性の問題を理由に2025年9月10日までにONE/USDTおよびONE/BTCの取引ペアを上場廃止します。これらの取引所は発表前のONEの24時間取引量の約3%を占めていました。
意味するところ: 取引のアクセスポイントが減ることで、取引が限られたプラットフォームに集中し、スリッページ(注文時の価格ずれ)リスクが高まる可能性があります。過去の例(2024年のXTZ上場廃止)では、発表後に価格が8~12%下落したケースがあります。
概要: HarmonyのBTC流動性提供(LP)と先物ヘッジを組み合わせた戦略は、デルタニュートラル(価格変動リスクを抑えた)で年利32%の利回りを実現しています。AerodromeやHyperliquidとの連携により、機関投資家の資金を呼び込むことを目指しています(7月のアップデート)。
意味するところ: このような利回り商品が成功すれば、BTCを中心とした流動性がONEベースのDeFiに流入する可能性があります。ただし、クロスチェーンブリッジ(異なるブロックチェーン間の橋渡し技術)は過去にハッキング被害があったため、システムリスクも伴います。
Harmonyの価格動向は、技術的な実行力と市場アクセスの課題のバランスにかかっています。アップグレードや利回り戦略はプラス要素ですが、取引所の撤退や開発者の減少が勢いを鈍らせています。HarmonyのBTC利回りエンジンは、2025年第4四半期までに流動性の分散化をどこまでカバーできるでしょうか? 9月の上場廃止前に、バリデーター数(アップグレード後70%)やAerodromeのTVL(総ロック資産)を注視することが重要です。
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