Injective（INJ）価格予測

詳細解説

1. EVM互換性アップグレード（強気材料）

概要: Etherniaアップグレードにより、InjectiveはEthereum Virtual Machine（EVM）をサポートし、Solidityで開発された分散型アプリ（dApps）をネイティブに展開可能になります。メインネットの開始は2025年9月末が予定されています。

意味すること: Ethereumの470万人以上の開発者が、手数料の安さ（Injectiveは約0.02ドル、Ethereumは平均1.50ドル）やIBC（異なるブロックチェーン間の通信）対応を理由に、既存のDeFiプロトコルをInjectiveに移行する可能性があります。過去の例として、PolygonのzkEVM採用は2024年にTVL（総ロック資産）が89%増加したことが挙げられます。

2. ステーキングされたINJ ETFの動向（影響は混在）

概要: CBOEが提案するCanary Capital ETFは、ステーキングされたINJトークンを保有する予定ですが、米国証券取引委員会（SEC）の承認はまだ不透明です。

意味すること: 承認されれば、ビットコインETFのように大規模な資金流入が期待できます（米国の現物BTC ETFは1410億ドルの運用資産を持つ）。一方で、承認が遅れたり拒否された場合は、SolanaがETF承認遅延で23%下落したような売り圧力が生じる可能性があります。現在の12%の年利ステーキング報酬は価格下落のリスクをある程度緩和します。

3. トークン化資産競争（弱気リスク）

概要: InjectiveのGPUデリバティブ市場は、2030年に8900億ドル規模と予測されるEthereumの実物資産（RWA）トークン化市場と競合しています。

意味すること: Injectiveが提供するNVIDIA H100レンタル向けのガス代ゼロの永久先物は革新的ですが（Helix参照）、Ethereumの豊富な流動性やArbitrum、Baseといったレイヤー2スケーリング技術が市場シェアを奪うリスクがあります。

結論

InjectiveのEVM対応とETFの可能性は大きな上昇余地を秘めていますが、規制の不確実性やEthereumの実物資産トークン化の優位性が短期的な成長を制限しています。現在、Injectiveの新しいデリバティブからのプロトコル収益は1日あたり約98ドルですが、これが14億ドルの評価額を正当化するほど加速するか注目されます。2025年第4四半期にかけて、Etherniaメインネットの採用状況とSECのETF承認の動向を継続的にウォッチすることが重要です。