詳細解説
1. KusamaでのUSDT終了(2025年8月5日)
概要:
Tetherは2025年9月1日からKusama上のUSDTを凍結します。これは利用が少ないチェーンからの段階的撤退の一環です。現在Kusama上には約24万ドル分のUSDTが残っており、発行額の350万ドルから大幅に減少しています。ユーザーはPolkadotのブリッジなどを使ってトークンを移行しないと、アクセスできなくなるリスクがあります。
意味するところ:
短期的にはKusamaのステーブルコイン流動性が減少しますが、TetherはEthereumやSolanaなど利用が多いネットワークに注力しています。この動きはUSDTを使ったDeFiや決済に依存するプロジェクトに圧力をかける可能性がありますが、KusamaがPolkadotのテストネットとしての役割を持つため、依存リスクはある程度緩和されるでしょう。(Kusama Network)
2. PolkadotのJAMアップグレードテスト(2025年7月30日)
概要:
PolkadotのJAMアップグレードは2024年12月にKusama上でテストされ、143,000 TPS(1秒あたりの取引処理数)を達成しました。これはVisaのピーク処理能力の2倍以上に相当します。このアップグレードにより、KusamaとPolkadotはプログラム可能な「ブロックチェーン・スーパーコンピューター」へと進化し、オンチェーンゲームなど複雑なアプリケーションの実装が可能になります。
意味するところ:
テストの成功は、KusamaがPolkadotの革新の場としての価値を強化します。JAMが2025年末にスムーズにローンチすれば、スケーラブルなレイヤー1ソリューションを求める開発者を引きつける可能性がありますが、Ethereumのレイヤー2ソリューションとの競争は依然として激しい状況です。(Yahoo Finance)
3. ZKサミット&開発者報奨金(2025年7月18日)
概要:
Web3サミットにて、Kusamaはゼロ知識証明(ZK)アプリケーション、ゲームプロトコル、AI統合の開発者向けに1,000万DOTの助成金プログラムを発表しました。インフラ、プライバシーツール、クロスチェーン相互運用性の3つの分野に焦点を当てています。
意味するところ:
この報奨金はKusama上での影響力の大きいプロジェクトを促進し、テストネットから独立したエコシステムへの移行を加速させる可能性があります。ただし、Polkadotの存在感が強い中で、開発者の継続的な関与が鍵となります。(Bifrost)
結論
KusamaはTetherの撤退という逆風に直面していますが、スケーラビリティの向上や開発者向けインセンティブで対抗しています。JAMの技術的優位性と新たな資金提供が、流動性の課題を補うだけの開発者を引きつけられるか注目されます。9月以降のパラチェーンオークションの動向や代替ステーブルコインの動きも、今後の展開を見極める重要なポイントとなるでしょう。