Lombard（BARD）とは

詳細解説

1. 目的と価値提案

Lombardは、これまでDeFiで十分に活用されてこなかったビットコインの課題に取り組んでいます。具体的には、1:1でビットコインに裏付けられた資産「LBTC」を作り出し、流動性を保ちながら利回りを得られる仕組みを提供します。従来のラップドBTC（wrapped BTC）とは異なり、LBTCは複数の機関が管理するコンソーシアムによって安全が確保されており、AaveやEigenLayerといった主要なプロトコルにも統合されています。これにより、ビットコインを売却せずに貸し出しや流動性提供、再ステーキングに参加でき、ビットコインを生産的な資本に変えることが可能です。

2. 技術とエコシステム

Lombardは、Ethereum、Solana、Baseなど複数のブロックチェーンをまたぐマルチチェーンインフラを運用しています。セキュリティ面では、Byzantine Fault Tolerant（BFT）方式の「Lombard Ledger」という決済レイヤーを採用しています。SDK（ソフトウェア開発キット）を使うことで、BinanceやBybitなどの取引所がワンクリックでビットコインのステーキングを提供できるようになり、さらに自動化された利回り戦略を実行するボールト（資産管理システム）も用意されています。エコシステムには、トークン化されたBTC商品を扱うDeFiマーケットプレイスも含まれており、機関投資家と個人投資家の流動性をつなぐ役割を果たします。

3. BARDトークンの仕組み

BARDトークンは以下の3つの役割を持ちます。
- セキュリティ：ステーキングによってLBTCブリッジやネットワークの安全性を支えます。
- ガバナンス：プロトコルのアップグレードや手数料体系、Liquid Bitcoin Foundationからの助成金の決定に参加できます。
- アクセス：トークン保有者は新製品への早期アクセスや手数料割引を受けられます。

トークンの総供給量は10億枚で、インフレ率は初年度7％から始まり、8年後には3％に減少します（詳細はLombard Financeをご参照ください）。

結論

Lombardは、ビットコインを単なる価値の保存手段から、機関レベルの安全性と分散型ガバナンスを兼ね備えた動的な金融インフラへと進化させることを目指しています。BARDトークンの活用を通じて、ビットコインが世界のオンチェーン市場の基盤となる未来を問いかけています。