詳細分析
1. Kinto L2のサービス終了の影響(弱気要因)
概要: イーサリアムのレイヤー2プロジェクトであるKintoは、7月にMorphoの貸出プールから577ETH(約160万ドル)が流出した事件からの回復ができず、9月30日にサービスを終了すると発表しました。Kintoのトークンは91%暴落し、創設者のRamon Recuero氏はMorphoの被害者に対し個人資金5.5万ドルを補償すると約束しています(The Block)。
意味するところ: このニュースはMorphoが抱える不良債権リスクやプロトコルの安全性に対する懸念を再燃させました。Morpho自体はハッキングを受けていませんが、Kintoの脆弱なインフラとの連携が評判リスクを残しています。また、DeFiの多層的な依存関係におけるシステムリスクも浮き彫りになりました。
注目ポイント: 盗まれた160万ドル相当のETHの回収状況や、9月30日までのKintoプラットフォームからのユーザー資金の引き出し動向に注目してください。
2. 市場全体の下落(弱気要因)
概要: 暗号資産市場全体の時価総額は24時間で2.64%減少し、ビットコインの市場支配率は58.35%に上昇しました。Fear & Greed指数は32(極度の恐怖)まで低下し、アルトコインの勢いは4.29%減少し、安全資産への資金移動が進んでいます。
意味するところ: Morphoのパフォーマンス(-2.12%)は市場全体の動き(-2.64%)に連動しており、マクロなリスク回避の影響を受けやすいことを示しています。DeFiトークンはレバレッジやプロトコル収益が暗号資産の変動に依存しているため、リスク回避時に売り圧力が強まる傾向があります。
3. テクニカル面での下落(弱気要因)
概要: Morphoの価格は重要な節目である1.66ドルを割り込み、30日移動平均線(1.99ドル)も下回りました。RSI14は35.17で売られ過ぎに近づいていますが、MACDヒストグラムは-0.04599と弱気のサインを示しています。
意味するところ: 1.66ドルという心理的なサポートラインを割ったことで、ストップロス注文や自動売買が活発化し、下落圧力が強まりました。24時間の取引高は3210万ドルと控えめで、買い戻しの勢いは弱い状況です。
結論
Morphoの下落は、Kintoの事件に起因するプロトコル固有のリスク、市場全体のDeFiに対する不安、そしてテクニカルな弱気シグナルが重なった結果です。RSIは売られ過ぎに近いものの、明確な回復材料が乏しく、市場の恐怖感が続いているため慎重な姿勢が求められます。
注目ポイント: Morphoが次のフィボナッチサポートラインである1.62ドルを維持できるかどうか。これを下回ると、200日移動平均線(1.59ドル)までの下落リスクが高まります。