PYUSDはクロスチェーン展開を加速させる一方で、増え続けるステーブルコインの競争に直面しています。最新の動きをご紹介します。
LayerZeroを使ったクロスチェーン展開(2025年9月18日) – PYUSDは新たに8つのチェーンに対応し、相互運用性を強化しました。
韓国ブロックチェーンウィークでの注目(2025年9月22日) – 中国と韓国のステーブルコイン競争の中で、PYUSDの存在感が高まっています。
Arbitrumへの統合(2025年7月16日) – イーサリアムの主要なレイヤー2であるArbitrumに対応し、DeFi取引の高速化を実現しました。
概要: PayPalはPYUSDのパーミッションレス版であるPYUSD0を、LayerZeroのクロスチェーン技術を活用してTron、Avalanche、Aptosなど計8つのブロックチェーンに展開しました。これにより、中央集権的な仲介者を介さずに、異なるネットワーク間での発行・焼却・送金がスムーズに行えます。意味するところ: PYUSDの採用拡大にとって追い風です。分散型金融(DeFi)や決済での利用がしやすくなり、手数料の低減や対応チェーンの増加が、USDTやUSDCが主導する市場からのユーザー獲得につながる可能性があります。ただし、PYUSDの時価総額は14億ドルと、Tetherの1710億ドルやCircleの740億ドルに比べるとまだ小規模です。(Bitget)
概要: KBW 2025にて、PYUSDはアジア太平洋地域のステーブルコイン競争の有力候補として注目されました。中国の人民元連動型AxCNHや韓国のウォン連動型KRW1と競合しています。地域内での利用が急増し、24時間で取引量が316%増加しました。意味するところ: 中立からやや強気の見方です。地政学的な競争は流動性の分散を招く可能性がありますが、Paxosの支援を受けたPYUSDは規制面での透明性があり、橋渡し的な役割を果たせると期待されています。アジア太平洋地域のステーブルコイン取引量は前年比69%増の2.36兆ドルに達しています。(Bitget)
概要: PYUSDはイーサリアム最大のレイヤー2であるArbitrumに対応し、決済速度が2~3秒に短縮、手数料も0.01ドル未満に抑えられました。これは以前のSolanaやStellarへの対応に続く展開です。意味するところ: 利便性向上に寄与します。ArbitrumのDeFiエコシステムは140億ドル規模で、Solanaの110億ドルを上回る流動性を持っています。ただし、PYUSDの直近30日間の供給増加率(+1.33%)はUSDCの+3.7%に比べてやや控えめです。(Cointelegraph)
PYUSDは積極的にブロックチェーンの対応範囲と地域での影響力を拡大していますが、既存の大手ステーブルコインとの競争は激しい状況です。クロスチェーンの相互運用性やアジア太平洋地域での採用拡大がUSDTやUSDCとの差を縮めるのか、それとも規制の分断が成長の足かせになるのか、今後の動向が注目されます。
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