Ripple USD（RLUSD）とは

詳細解説

1. 目的と価値提案

RLUSDは、国際送金や機関間決済の効率化を目指した安定したデジタルドルの代替手段です。従来のSWIFT送金が3〜5日かかり、送金手数料が平均6.18%と高い問題を解決し、ほぼ即時かつ低コストでの取引を実現します。主な利用者は、決済事業者、銀行、外国為替市場や財務管理において監査可能で法令遵守された流動性を必要とする企業です。

2. 技術と構造

RLUSDは2つのブロックチェーンを活用しています：
- XRP Ledger：3〜5秒の高速決済とRippleNetの決済ネットワークとの連携に使用。
- Ethereum：DeFi（分散型金融）エコシステムやスマートコントラクト機能へのアクセスを提供。
準備金はBNY Mellonの分別管理口座に保管され、毎月の証明書で透明性が確保されています。Ethereum上では、将来のアップグレードに対応可能なUUPSスマートコントラクトを採用しています。

3. 主な差別化ポイント

USDTやUSDCと異なり、RLUSDは規制遵守を最優先に設計されています：
- 発行開始時からNYDFSの信託許可を取得。
- GENIUS法の1対1準備金ルールやMiCAのライセンス要件に先行対応。
- 小売市場ではなく、バンク・オブ・アメリカのバックエンドやBNY Mellonのカストディなど機関向けインフラに統合。

結論

RLUSDは、Rippleが規制対応済みの金融インフラへと戦略的にシフトしたことを示しています。ブロックチェーンの高速性と伝統的なコンプライアンスを融合し、プログラム可能なドルの機関需要と世界のステーブルコイン規制の進展をつなぐ役割を担います。RLUSDのコンプライアンス重視モデルは、中央銀行デジタル通貨（CBDC）の相互運用性の新たな標準となる可能性があります。