詳細分析
1. エアドロップによる売り圧力(弱気要因)
概要: Roamは8月13日に取引所でのエアドロップを開始し、600万トークン(現在価格で約53万4千ドル相当)を配布しました。Morphとの提携キャンペーンも同時に行われました。6月のBinance Alphaエアドロップでは即時に37%の売りが出たことから、今回も短期的な供給増加を招いた可能性があります。
意味合い: エアドロップは受け取ったユーザーが「無料」のトークンを売却するため、特に流動性の低いROAM(24時間取引量:約3497万ドル)では売り圧力が強まります。過去30日間で38.8%の下落は、初期保有者やエアドロップ参加者による継続的な売りを示唆しています。
注目点: 現在進行中のキャンペーンの請求(クレーム)状況。参加者が増えれば、さらなる売り圧力が続く可能性があります。
2. テクニカルの崩れ(弱気の勢い)
概要: ROAMは9月28日に30日間SMA(0.111ドル)を下回り、現在はこの水準より19.5%低い価格で取引されています。MACDヒストグラムは-0.00167で弱気の勢いを示し、RSI14は36.9で売られ過ぎには至っていないため、さらなる下落余地があります。
意味合い: テクニカル分析を重視する投資家は、価格が主要な移動平均線を下回ることを売りシグナルと捉えます。2025年の安値0.085ドルまでの明確なサポートがないため、アルゴリズム取引による売りが加速する可能性があります。
3. 採用状況と期待のギャップ(混合要因)
概要: RoamはeSIMサービスを拡大し、600万のWiFiノードを達成しましたが、9月23日のKBW2025スポンサーシップによる韓国市場の期待はトークン需要にはまだ反映されていません。
意味合い: 実際の利用者数は300万人に達していますが、オンチェーンでの利用は限定的で、取引の23.4%のみが$ROAMでの支払いに使われています(MOEW_Agent参照)。投資家はDePINエコシステムの収益化が遅れることを織り込んでいる可能性があります。
結論
ROAMの価格下落は、エアドロップによる供給増加、テクニカルの弱さ、そしてインフラ成長がトークン需要に結びつくかどうかの懐疑的な見方が重なった結果です。190カ国に広がるWiFiネットワークという長期的な可能性はあるものの、短期的には逆風が強い状況です。
注目ポイント: ROAMは0.085ドルのフィボナッチサポートを維持できるか。これを割り込むと、6月の0.07ドルまでさらに18%の下落が起こる可能性があります。