詳細解説
1. Protocol 23とRWA拡大(強気材料)
概要: StellarのProtocol 23(コードネーム「WHISK」)アップグレードは、2025年9月から稼働しており、スマートコントラクトの並列実行を可能にして手数料を下げ、処理速度(5,000 TPS)を向上させました。これは、PaxosやFranklin Templetonの4億4500万ドル相当の米国債のオンチェーン化など、実物資産(RWA)への取り組みと連動しています。
意味するところ: Visaの決済やPYUSDの統合など、企業での利用が増えることで、XLMがガストークンとしての需要を伸ばす可能性があります。過去の例では、Protocol 22の2024年の導入時にTVL(総預かり資産)が7倍に増加しました。
2. ETF申請と規制リスク(影響は混在)
概要: XLMはCanary Capitalの「MRCA」やKrakenのETF案など、複数のETF提案に名前が挙がっています。これはコンプライアンスに配慮した特徴によるものです。しかし、SECが「暗号資産バスケット」を厳しく監視していることや、XLMの固定供給量500億枚のうち42.5%が未配布である点が不透明要素となっています。
意味するところ: 承認されれば、ビットコインETFのような大規模な資金流入が期待できます(Franklin TempletonのIBITは初日に20億ドルの取引量を記録)。一方で、承認遅延や否認は市場心理に悪影響を与える可能性があります。Galaxy DigitalはXLMの「ファストトラック」適格性を指摘していますが、規制のタイムラインは流動的です。
3. XRPとの相関とアルトコインシーズン(中立~弱気リスク)
概要: XLMとXRPは過去90日間で0.95の価格相関を示しており、Rippleの法的問題の影響を受けやすい状況です。一方、アルトコインシーズン指数は67で、75の節目に迫っていますが、これを超えられなければビットコイン(ドミナンス57.7%)からの資金移動が停滞する恐れがあります。
意味するところ: XRPからの独立性を示すためには、Stellar自身のユーティリティを証明する必要があります(例:第3四半期に22%のTVL成長で1億2000万ドルに到達)。逆に、ビットコインが12万2000ドルを超える上昇を見せると、アルトコインから資金が流出し、XLMの0.35ドルのサポートを割るリスクがあります。
結論
Stellarの今後は、Protocol 23の技術的な期待とマクロ経済の資金循環、規制の不透明さのバランスにかかっています。0.35~0.40ドルのレンジでの動きを注視しましょう。2025年8月の高値0.42ドルを超えれば強気の勢いが再燃し、0.33ドルを割ると7月の安値を再訪する可能性があります。
RWAの採用がETFの遅れを上回るか? 第4四半期のパートナーシップ動向とアルトコインシーズン指数の75到達を見守ることが重要です。