詳細分析
1. トークン買い戻しプログラム(強気要因)
概要:
Heritage Distillingは、2025年8月に1IPあたり3.40ドルで8200万ドル相当のトークン買い戻しを実施し、Story Foundationが90日間にわたり市場から買い入れを行います。これに加え、2025年7月にはGrayscaleがStory Trustを立ち上げ、機関投資家の需要を取り込んでいます。
意味するところ:
この買い戻しにより、2025年11月までに約2400万トークン(流通供給量の7.9%)が市場から減少し、人工的な希少性が生まれます。さらに、Grayscaleのカストディ需要と組み合わさることで、初期支援者によるベスティング解除(供給量の21.6%)の影響を相殺する可能性があります。
2. 創業者の離脱と市場心理(弱気要因)
概要:
共同創業者のJason Zhao氏が8月16日に離脱し、他にも3名が続いたことで、48時間で時価総額が4億ドル減少しました。批評家は、24億ドルの評価額に対して1日あたりわずか45ドルの手数料収入を問題視しています(The Defiant)。
意味するところ:
リーダーシップの空白は、AIネイティブIPツールやChapter 2のローンチといったロードマップの実行にリスクをもたらします。発表後、SNSでの話題量は62%減少しました(LunarCrush調べ)が、一方で低い手数料が大規模な採用を促すとの強気派の意見もあります。
3. AI/IP製品の市場適合性(賛否両論)
概要:
StoryのAttestation Service(SAS)とIPポータルは、AIの学習データの認証を目指しており、GPT-5が著作権問題に直面する中で重要な役割を果たします。しかし、採用は進んでおらず、週あたり25万件の取引にとどまっています。
意味するところ:
成功の鍵は、BTSやBalmainなどのパートナーシップを収益につなげられるかどうかです。610兆ドル規模のIP市場には大きな成長余地がありますが、Ocean Protocolなどの競合もIPのトークン化をサポートし始めています。
結論
Storyの価格動向は、買い戻しやGrayscaleの需要が創業者離脱に伴う不安や採用の遅れをどれだけ相殺できるかにかかっています。テクニカル指標は強気の勢いを示しており(RSI67、7日間で+34%)、8月30日の8.65ドルの高値が抵抗線として意識されています。
Storyは、買い戻しプログラム終了までに、8兆ドル規模のIP市場の物語を実際のオンチェーン活動に変えることができるでしょうか?