詳細分析
1. 先物取引の上場拡大(強気材料)
概要: 2025年7月20日、Orderly NetworkはRUNEの永久先物を10倍レバレッジで開始し、機関投資家向けの高度な取引ツールへのアクセスを広げました。これはRujiraNetworkなど他のプラットフォームでのRUNEデリバティブ上場に続く動きです。
意味するところ:
- デリバティブ市場の流動性増加は、トレーダーがポジションをヘッジするためスポット市場の取引活発化と連動することが多いです。
- 24時間のRUNE取引量は72%増の1億2000万ドルに達し、レバレッジを使った投機的取引が活発化していることを示しています。
- 過去の例では、2025年5月にMEXCで上場した際にRUNE価格が49%急騰しました(Orderly参照)。
注目点: Orderlyでのオープンインタレスト(未決済建玉)の動向。継続的な増加は需要の持続を示唆します。
2. デフレ型プロトコルへの移行(影響は賛否両論)
概要: THORChainは2025年2月にブロック報酬を停止し、手数料を使ってRUNEをバーンする仕組みに切り替えました。最近のデータでは、1日あたり約28,500 RUNEが手数料によって焼却されています(THORChain公式ツイート参照)。
意味するところ:
- 強気材料: 月間で約160万RUNE(流通量の約0.45%)が純減しており、供給が減少しています。
- 弱気材料: ノード運営者の報酬が手数料のみとなり、APR(年利)が約12%に低下。これによりステーキングの魅力が減少する可能性があります。
重要指標: バーン率とネットワーク利用状況の比較。2025年第2四半期の流動性手数料は600万ドルで、前年同期比38%増加しています。
3. 技術的な反発(中立的要素)
概要: RUNEの14日間RSIは35の売られ過ぎ水準から43に回復し、価格はフィボナッチサポートの1.27ドルを試しました。
意味するところ:
- 短期トレーダーが売られ過ぎを利用して買いを入れた可能性があります。
- 50日移動平均線(1.34ドル)が抵抗線として機能しており、現在価格から約6.3%上に位置しています。
- MACDヒストグラムは弱気の勢いが弱まっているものの、まだ強気のクロスオーバーは確認されていません。
結論
RUNEの上昇は、戦略的な取引所上場、デフレ型トークノミクス、技術的要因が複合的に影響しています。ただし、ノード運営者への報酬問題など長期的な課題も残っています。注目点は、1.27ドルの抵抗を突破して1.34ドルの再テストにつながるか、あるいはデリバティブ市場の関心低下で上昇が反転するかどうかです。