THORChain（RUNE）とは

詳細解説

1. クロスチェーンインフラ

THORChainは分散型取引所（DEX）として機能し、自動マーケットメイカー（AMM）を使ってBTCやETHなどのネイティブなレイヤー1資産同士の交換を可能にします。多くのDEXがラップトークンやブリッジに依存するのに対し、THORChainはこれらを使わず、ユーザーが資産の管理権を保持できる点が特徴です。流動性プールは各資産とRUNEをペアにしており、RUNEが価格決定や決済の基軸通貨として機能します。

この仕組みにより、クロスチェーンの相互運用性がシンプルになり、第三者のカストディアンや合成資産に伴うリスクを軽減しています。

2. RUNEの二重の役割

RUNEは以下の2つの重要な役割を担っています：
- 流動性の基盤：プール内のRUNE以外の資産1ドルに対し、3ドル分のRUNEが必要（1:3の比率）。これによりプロトコルの利用が増えるほどRUNEの価値が直接的に高まります。
- ネットワークのセキュリティ：ノード運営者は取引の検証のためにRUNEをボンド（担保）として預けます。ボンド額は保護する資産の価値を上回る必要があり、不正行為を抑止します。

3. 経済的セキュリティと持続可能性

2025年にTHORChainはインフレ型のブロック報酬を廃止し、手数料に基づくトークンバーンモデルに移行しました。このデフレメカニズムにより、ノード運営者や流動性提供者は手数料収入を得つつ、供給量の減少によってRUNEの希少性が高まります。

また、プロトコルは「Incentive Pendulum」というアルゴリズムを用いて、ノードと流動性提供者への報酬配分を動的に調整し、最適なセキュリティと流動性の深さを維持しています。

結論

THORChainは自己管理（セルフカストディ）と経済的セキュリティを重視した、信頼不要のクロスチェーン決済レイヤーです。RUNEのデフレ転換やSolana、TRONなどとの連携拡大により、将来的にはDeFiの基盤インフラとしての地位を目指しています。

THORChainが分散化を維持しながらノード運営者の規模を拡大する際に直面する課題とは何でしょうか？