詳細解説
1. デフレ効果のあるバーンと資金回収(強気要因)
概要:
iFinexはBitfinexの収益の27%以上を使って毎月LEOトークンをバーンしています(ホワイトペーパー参照)。さらに、2016年のハッキング被害(約2億1600万ドル相当)やCrypto Capital事件からの資金回収が進むと追加のバーンが行われます。2025年9月時点での時価総額は87.5億ドルで、2023年の収益水準(約4億ドル/年)が維持されれば、年間約9.2%のバーン率に相当します。
意味するところ:
収益が10%増加すると、年間約100万LEO(供給量の0.1%)がバーンされる計算です。資金回収が成功すればバーンはさらに加速します。例えば、盗まれたBTCの50%を回収できれば、18ヶ月以内に約450万LEO(供給量の0.5%)がバーンされる可能性があります。これにより、Bitfinexの成長や資産回収が進むほどLEOの価値が上昇しやすくなります。
2. 取引所トークン間の競争(影響は混在)
概要:
2025年において、LEOはOKB(最高値から-43%)やHT(-61%)よりも良いパフォーマンスを示し、ピークから約10%下落で推移しています(CryptoQuant参照)。しかし、BNBが1050億ドルの取引所トークン市場の81%を占めており、LEOはBitfinexの機関投資家向けニッチ市場に依存している状況です。
意味するところ:
LEOの安定性は、BitfinexがOTCデスクやデリバティブ取引で高い取引量を維持できるかにかかっています。BybitやKrakenなどの競合が同様のバーンモデルを導入すると、LEOのデフレ効果による優位性が薄れる可能性があります。一方で、Bitfinexが計画しているセキュリティトークン取引所の開設は、LEOの利用範囲を広げる可能性があります。
3. 海外取引所への規制強化(弱気要因)
概要:
Bitfinexのトラフィックの48%はアジアや中東・北アフリカ(MENA)地域から来ており([SimilarWeb、2025年8月])、これらの地域では無許可の取引所に対する規制が強まっています。Bitfinexの関連会社であるTetherに対するSECの訴訟は、2021年にLEO価格が一時的に22%下落したニューヨーク州司法長官との1850万ドルの和解に似た影響を及ぼす可能性があります。
意味するところ:
法規制によって法定通貨の入出金が制限されたり、本人確認(KYC)が厳格化されると、Bitfinexの取引量が減少しバーンのペースが鈍る恐れがあります。ただし、LEOは2019年のIEO以降アメリカ市場での取引が禁止されているため、Coinbase上場の競合トークンに比べると米国の規制リスクは相対的に低いと言えます。
結論
LEOの価格動向は、Bitfinexが機関投資家向けサービスを収益化しつつ、規制リスクを乗り越えられるかにかかっています。バーン機構は価格の下支えとなりますが、成長には現在の約80億ドルのニッチ市場を超える拡大が必要です。第4四半期のデリバティブ取引量が現在の27%バーン率を維持できるか、あるいはマクロ経済の逆風でiFinexが買い戻し方針を見直すかが注目されます。