詳細解説
1. エアドロップ請求&ステーキング開始(2024年12月中旬)
概要:
Yield Discoveryフェーズが2024年12月中旬に終了し、USD0++保有者はこれまでに獲得した$USUALトークンを請求できます。同時にステーキングが開始され、$USUALを$USUALxに変換してガバナンス投票権や将来のトークン発行の10%を受け取る権利が得られます(Usual Blog参照)。
意味すること:
ポジティブな点:プロトコルが保有する流動性が活性化し、長期的なインセンティブが整います。
リスク:エアドロップ受取人がすぐに売却すると短期的な売り圧力がかかる可能性があります。
2. ガバナンス&流動性ゲージ導入(2025年第1四半期)
概要:
$USUAL保有者は、財務の割り当てや担保ポリシー、流動性の分配をゲージシステムを通じて管理できるようになります。これにより、CurveやMorphoなどのDeFiプラットフォームでUSD0++の利回りを最適化することを目指します。
意味すること:
ポジティブな点:意思決定が分散化され、機関投資家の参加を促す可能性があります。
中立的な点:成功は投票参加率やリスク管理に依存します。
3. ETH0++のローンチ+買い戻しメカニズム(2025年第3四半期)
概要:
ETH0++はUsualの合成資産ラインナップを拡大し、ETH保有者がエクスポージャーを維持しながら利回りを得られるようにします。価格が収益ベースの評価を下回った場合に$USUALを買い戻す仕組みも導入されます(Roadmap 2025参照)。
意味すること:
ポジティブな点:総預かり資産(TVL)の拡大とデフレ圧力の導入。
リスク:ETH市場の安定性や合成ETH商品の普及に依存します。
4. 多通貨ステーブルコイン(2025年後半)
概要:
UsualはEUR、GBP、JPYに連動したステーブルコインを計画しており、伝統的金融機関との提携やグローバルな決済ネットワークの構築を目指しています。
意味すること:
ポジティブな点:非米ドル市場を取り込み、USDCやUSDTへの依存を減らせる可能性があります。
課題:複数の法域にまたがる規制対応が必要となります。
5. インフラアップグレード(2025~2026年)
概要:
レバレッジポジション用の新ツールやクロスチェーンの相互運用性強化を計画しており、Usualを機関投資家向けのDeFi「ブラックロック」のような存在に成長させる狙いです。
意味すること:
ポジティブな点:複雑な金融商品に対応できるスケーラビリティの向上。
リスク:野心的な技術開発計画のため、遅延が発生する可能性があります。
結論
Usualのロードマップは、分散化、合成資産の拡大、機関投資家向けの準備を優先していますが、DeFi特有の急速な技術革新に伴う実行リスクも抱えています。2025年8月時点で$USUALの70%がすでにステーキングされている中、コミュニティガバナンスは規制や技術的な課題を乗り越えつつ、この勢いを維持できるでしょうか。